多汗症と漢方薬
漢方薬は、伝統中国医学、いわゆる東洋医学によるもの。つまり、身体全体の調子を整えることで病気を治すという考え方です。
漢方なら副作用がないというのは誤解で、自然のものからできていても、西洋医学とくらべ少ないものの副作用のあるものもあるので、きちんとした専門家に相談して服用する漢方を選んでください。
手汗などの多汗症に対して有効な漢方としては、以下のものがあります。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
肥満や多汗症、関節痛などに用いられます。
ツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用)、クラシエ防已黄耆湯エキス細粒など。
身体の水分の循環を改善する働きがあります。
桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
寝汗やあせもなどに用いられます。
熱や腫れ、痛みなどを発散したり、軽症の皮膚疾患などにも効果的。ひきはじめの風邪などにも。
柴胡桂枝乾姜湯 (さいこけいしかんきょうとう)
心と体を落ち着かせる効果が見込まれます。不眠症などの神経症や緊張、不安、ノイローゼや更年期障害などにも。
ツムラ柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒(医療用)、コタロー柴胡桂枝乾姜湯エキス細粒など。
手足の冷えが激しい方は控えてください。
衛益顆粒(えいえきかりゅう)
虚弱体質、疲労倦怠感、ねあせなど、気虚(元気が足りない状態)の人に。
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
精神を安定させるために用います。イライラやヒステリーなどにも。
瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
身体にたまった熱を冷ます。尿道や膀胱などの炎症やイライラ、頭痛、めまいなどに。
平胃散(へいいさん)
胃の働きを改善することで水分の停滞を解消。主に消化不良などに用いられます。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
身体の熱・炎症をとるのでのぼせやほてり、高血圧の方に。イライラや動悸、頭痛などにも。虚弱の人には不向きです。